精神の病は原因不明のものが多い。従って原因に基づく分類ができず、臨床症状による分類法となっているのである。統合失調症・躁うつ病・うつ病・不安障害・強迫性障害・摂食障害・パーソナリティー障害・発達障害などのほとんどすべてが臨床症状に基づいて分類されている。従って症状をうまくとらえることさえできれば診断は比較的に簡単なはずである。ところが精神の病は診断がむづかしいと言われている。それは次のような事情があるからだと思われる。

1 患者本人が病状を伝えられないあるいは拒否しているあるいは否認していることがある

2 症状をとらえる100%客観的な方法がないということ、従って患者さんの主観や医者の主観が混じってくる可能性がある

3 症状の程度は連続性を示しており、どこで区切るかによって正常と病気の差がでてしまう、またAという病気とBという病気の区切りについても同様である

4 時間とともに病状が変化し、それに伴って診断が変わってくることがある

 

 

湘南こころのクリニック