睡眠剤や安定剤は依存性が指摘されている。強い薬ほど、量が増えれば増えるほど、種類が多くなればなるほど依存度は高くなる。従って必要最小限度にとどめるべきである。このような依存性のあるお薬を減らしていくあるいはやめていくためには状態が安定していること・本人の意思が強いことなどが必要である。

お薬の減らし方としては漸減法が一般的である。漸減法とは薬を時間をかけて少しずつ減らしていく方法である。成書などのよれば二分の一ずつ、あるいは四分の一ずつ減らしていくとある。しかし日常臨床で四分の一ずつ減らしていくのはなかなかむずかしい。なぜなら薬のほとんどが ー の割線はあるが、+ の割線はないからである。

当院では二分の一ずつ減らしていくように指導し、二分の一でうまくいかないときは、四分の一ずつ減らしていく方法もあることを説明し、ピルカッターを薬局で買ってもらうなどをお話ししているが、自分でハサミで器用に切ったりする方もおられる。しかしハサミや包丁ではけがをすることも予想され、錠剤に + の割線があるといいのだがと感じている。

トランプ流でいくと、+ の割線をつけなければ薬価を35%減らすぞということになりそうだが、もっといいやりかたは + の割線をつけた薬には薬価を減らしませんよということだろう。

湘南こころのクリニック