世の中で一番怖い存在は<われわれ>である
私は生来、性善説が好きで、基本的に性善説の立場をとってきた。しかし、それは全くの思い違いであることに気づかされた。それは<サピエンス>という本を読んだからである。そこには人類の太古からの記録が綴られている。
その本の一部を要約するとこうだ
人類の祖先は600万年前類人猿から進化し、当初は取るに足らない動物の一種で、森で生活していた。その後人類と呼ばれるような存在になったのは250万年前に現れたアウストラロピテクスだった。彼らは世界各地に広がり、進化の過程でネアンデルタール人、ホモエレクトス、ホモデニソワなど6種以上の人類種に分かれていった。そしてその中で20万年前に登場したのが、われわれホモサピエンスなのである。われわれは約7万年前に言葉を持つようになった。そしてそれを生かし、世界に広がっていった。約4万5千年前オーストラリアに上陸し、それからまもなくオーストラリアにいた大型動物は絶滅するに至る。また約3万年前、ネアンデルタール人という種がいなくなった。そして1万3千年前からは人類種の中で唯一、生き残った存在がホモサピエンスというわけである。
まさしく人類の歴史は戦いの連続であったといっていい。今もアフリカでは民族同士の大量虐殺が行われている。われわれは多くの生命を絶滅に追いやった張本人であることに気づく必要があると、その本では述べられている。