精神疾患の場合一旦病名が確定されるとその病名が延々と続く場合が多い。例えば統合失調症、躁うつ病、精神遅滞、認知症などでは病状が落ち着いても病名はほぼ一生ついてまわる。なぜなら例え良くなったとしてもそれは治癒ではなく、必ず再発・再燃を引き起こすとされているからである。

ところでうつ病の場合はどうであろうか?これについては多少意見が分かれている。今回DSM5ではうつ病エピソードが2年以上経つと持続性抑うつ障害あるいはその時点で示されている病状に応じた病名に変更されることになった。慢性のうつ病というカテゴリーではなく、うつ病とは別のカテゴリーに括られることになった。

なお2年経った時点においてもなおうつ病の診断基準にあてはまっている場合においても、それはうつ病としてではなく持続性抑うつ障害となる。その場合特定用語として{持続性抑うつエピソードを伴う}とすることになった。

それにしても診療報酬上に必要な病名の中には{抑うつ障害}という病名自体が存在していないのであるが。

今後ICDがどう変わってくるかどうかが我々臨床家には影響が大きいと思われる。

湘南こころのクリニック