9月19日付けの朝日新聞の経済欄に{中央銀行が金融緩和を続けているのに、低インフレが続くのは大きな謎だ。とBIS幹部が話している}との記事が載っていた。

私は専門家でも何でもないが{何を今さらそんなことを言っているのか。謎でも何でもないではないか}と不思議に思った。

だぶついたお金は株や不動産や発展途上国に回されるだけで、実社会には回っていないということだ。株や不動産を持っている人も大方は金持ちであり、消費に影響が大きいとされる中産階級にはその利益は雀の涙であろう。むしろ格差の拡大から中産階級自体が細っており、その結果消費が盛り上がらないのは当然といえば当然です。なお{消費を伸ばすために給与をあげよ}と首相は述べたが、大企業ならともかく、日本を支えている中小・零細企業にとってはまさに将来、死活問題になっていくことでしょう。また大企業もグローバル活動している以上、いくらお金があっても余裕があるところは少ないと思われます。アメリカのIT企業のようにタックスヘイブンで税金を払わずに脱税まがいのことをして有利に展開している企業と競争していくのは元々不利といえます{それでもトランプはアメリカンファーストと言うでしょうけど}。

きっとインフレで喜ぶのは借金で首が回らなくなっている人たちだけです。この中には日本政府、アメリカ政府、中国政府なども入っていると思われます。もしも急激なインフレになったとしたら、まじめな国民は大きな打撃を被ることになるでしょう。政府はインフレにすることで少しでも債務を減らしたいと思っているのでしょうけど、うまくコントロールできる保証はありません。またそのための危機管理能力も十分に備わっているとも思われません。

最後に、くれぐれも日本だけがばばを引かないように、賢明な対策を政府には望みたいところです。

湘南こころのクリニック