障害年金を申請し不受理となった人への対応はどうしたらいいのか
障害年金を申請する人は年々増えていると思われる。そしてそれに呼応するかのように、審査が厳しくなっている。今まで受理されていたであろうと思われる人までも不受理となっている。困るのは真っ先に本人である。多くの人が年金をあてにして生活を送ることを考えているからである。本人はその不満を担当医に言う。しかし決まってしまったからにはどうこうしようもない。改めて再申請をしてもらうかであるが、医師としては前回と全く違うことは書けない。仕方が無いので社労士さんに相談してもらうことがある。
10年前の話であるが、市の担当者から「精神科の障害年金の数が他の科に比べると非常に少ないのでどんどん出してください」と直接言われたことがある。その話を聞いて、私は{自立支援の時もそうだったな}とふと思い出したのである。精神障害者の定義が変わったせいもあり、自立支援の数はどんどん増えていったが、その後患者負担が0%から5%に増え、今は10%になっている。障害年金の審査が厳しくなっているのは{このまま障害年金の受給者が増えてしまうと困るぞ}という話しなのではないだろうか。それは社会保障費を減らしたい国の施策でもあるように思われる。
それにしても年金がもらえない事態を想定して「申請の時点で{必ずもらえるわけではないですよ}とか{もらえない可能性がありますよ}と事前に患者さんに話しておいてください」ということのようだ。患者さんから「年金診断書を書いてください」と頼まれたとき、医者は断ることができないということなのだそうで、そうするしかないようである。