トランプ大統領は、大統領としての資質は最悪だと思うが、その言動はわかりやすい。北朝鮮に対しては戦争を仕掛けること{場合によっては躊躇せずにやるだろう}を滲ませ、北朝鮮の時間稼ぎを止めさせている。これは今のところうまくいっているといってよい。

しかし経済外交問題だ。アメリカは世界最大の貿易赤字国だ。この状態をいつまでも続けていられるはずはない。日本の場合はバブル破裂で、日本が自滅してくれた。ところが中国はむずかしい。中国は日本と違って、アメリカの言うことは全く聞かないだろう。すでに世界第2位のGDPとなり、10年後にはアメリカのGDPをも上回ると言われている。そうなれば中国の発言力は益々強くなり今以上となり、傍若無人な言動があったとしても周りの国々は文句を言えない状況になるであろう。アメリカは絶対にそんなことは許せないだろう。事実トランプ大統領はエゴまるだしと言ってもいいような高関税政策をとりだした。これに対し中国はほぼ同じ規模の高関税をアメリカに対しとりすぐに報復している。行きつくところはどこまでいくのだろう。

日本はアメリカと中国との間にはさまれている。今後、どうすればいいのだろうか。日本は両国と比べたら小国であり、1国で孤立して生きてはいけない。幸いともいえるが、日本には日米同盟とTPPがある。中国の軍事的脅威に対しては米国の後ろ盾が必要だし、経済的な反グローバリズムに対しては共通の経済圏をめざすべきTPPなどが必要であろう。これからは想定外なこともあると考え、危機管理をしていかないといけないだろう。平和ボケだけはしないように、杞憂であればそれはそれでいいのだ。しかし、あらゆる最悪の状況をシミュレーションして備えておく必要があるだろう。国家戦略室はとっくにそんなことはやっているだろうが。

 

 

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