イチローが現役を引退した。インタビューに答える、頂点を極めた彼の言葉にはやはりというか重みが感じられた。イチローは45歳である。彼は例外で、概してプロ野球選手は35歳~40歳が現役で活躍できる年齢である。これを他のスポーツ選手の職業寿命と比較すると相撲やテニスやサッカーは大体35歳ぐらいであるからやや長いといえるかもしれない。しかし年齢に伴う体力の衰えは致し方ないであろう。

人間の寿命にも限界がある。全ての病気を克服すれば150歳まで生きられるという人もいるが、現実には100歳まで生きられる人はごく少ない。

しかし元気で生きていられる寿命{健康寿命}はさらに低くなる。平均寿命マイナス8歳と言われており、女性で78歳、男性で74歳となる。健康寿命とは何不自由なく生活できる限界年齢である。イチローのように例外はあるかもしれないが、おおむねそのあたりに大きな山がくるのである。

イチローはテレビの中で「自分は監督には向かない。むしろ、若い人を教えることができれば、そちらのほうに興味がある」と話していた。イチローの第二の人生の始まりである。

自分の魂を高めていくには自分の道を見つけ、それを究めていくことだという。イチローはそれを実践していた。すばらしい人である。

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