ノーベル文学賞の発表に皆さん{エツ、エツ、エー}という思いであっただろう。カズオ・イシグロという日本人名の方に賞が決まり、日本中が沸いた。テレビのインタビューの中でイシグロさんに{あなたは日本人ですか?イギリス人ですか?}と質問する人がいたが、日系イギリス人ということだから{日本生まれのイギリス人}ということになるであろう。

イシグロさんについては2~3の本を私はすでに読んでおり、ある程度知っていた。きっかけになったのは1~2年前にテレビで放映されて話題になった、綾瀬はるか主演の{わたしを離さないで}である。

私は彼の文章をみて、ノーベル賞という意味においては村上春樹の上をいっているんじゃないかと当時思ったことを記憶している。

イシグロさんの作品は社会性・時代性を強く意識されており、その中に淡いメッセージ性を織り込んでおり、表現の仕方も緻密で、まるで日本の職人技のような巧みさを持っているのである。世の中に面白い本やたくさん売れている本はいくつもある。しかしノーベル賞は社会に影響を与えたあるいはこれからも与えるであろう作品が選ばれているのではないかと思う。

私は何十年か先にアニメからノーベル賞が生まれてくると面白いのにと空想している。

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