そう言えば、昔、松田聖子さんが新しい恋人ができたとき{ビビビって感じた}と言っていた。実際そういうふうに感じることは滅多にないことだと思うが、つい最近、三省堂書店で安那{あんな}さんという方の作品を見て{ビビビ}ときた。その日はある作家さんの本を探すべく、エスカレーターで上の階にのぼっている最中だった。その時、目にしたのが彼女のイラスト絵だった。思わずそのフロアーに立ち寄り、期間限定コラボカフェとかいう所に並んでいた作品をじっくり眺め、絶対に家に持ち帰ろうとポストカードを何点か買い求めた。

もしかすると永遠の美というのは空想の産物ではないだろうか感じるほど、現実の世界では珍しいものである。従って人は非現実の世界にえてして惹かれていくものではないだろうか。その行き着く先の1つとして絵や芸術というものがあるのだろう。

ところで{何のために生きているのかわからない}と言うことをたまに耳にする。患者さんから聞かされることもある。しかし、愛するものや惹かれてやまないようなものがあれば、きっとその類いの疑問は雲散霧消するに違いない。ただし現実の世界で裏切られる人は多く、さらにその思いを強くしてしまうこともきっと多いと思われる。だから裏切られたくないということであれば非現実の世界のなかに安住した方がむしろ安心といえる。ただしそれは趣味の、プライベートな世界にだけしておき、普段は現実の世界に生きていくことを忘れてはならないだろう。趣味の、プライベートな世界はあなたを支えてくれるはずである。

 

湘南こころのクリニック