コーヒーはホットもアイスもミルクは入れる派で、考えもせずに無意識にミルクを入れていた。どうしてそうなったのかなと考えてみると、今まで飲んでいたコーヒーはどちらかというと「にがい」「濃い」ものが多く、ミルクを足してうすめていたのではないかと思う。だからアメリカンの場合はそのままで飲んでいたのが通例であった。

今日の昼食はときどき立ち寄ったりする南口のコメダコーヒーでとることにした。お店に入ると壁に貼ってある「コメ黒」の字に目が留まり、それを注文することにした{厚切り小倉トーストと一緒に}。コメ黒はコーヒーの種類のようでブレンドより100円高かった。しばらくしてウェイトレスが運んできたが、何も言わずにテーブルに置いていった。{あれ?いつもの「ミルクはお付けしますか」という決め台詞はないのか}と一瞬思ったが、壁にある「コメ黒」の説明書きをよくみると「そのままお飲みください」と書いてあった。{そうか}と納得して口にした。その途端、キリマンジァロの香りと芳醇な味が鼻と口に広がり、びっくりしてしまった。

同じようなことがちょっと前にもあって、それは「樹の花」{東銀座}という喫茶店のことである。そこはニッポン放送で紹介していた場所で、ジョン・レノンとオノ・ヨーコさんが立ち寄ったお店ということだった。その店でコロンビアコーヒーとアーモンドクッキーのセットをいただいたが、コーヒーはブラックでいただき、久しぶりにコーヒーの味に魅了されたのである。

いいコーヒーはミルクを入れずに、コーヒーの味と香りを味わうべしということを、やれやれ最近になってやっと悟ったのである。

しかし日常生活では多分「ミルクください」と言うことがほとんどであろうが。

湘南こころのクリニック