うつ状態あるいはうつ病にエビリファイ1mg錠を上手に使う
2016年11月エビリファイ1mg錠が発売された。エビリファイはなかなか個性的な薬である。
統合失調症には6mgから24mgまで、双極性障害の躁状態には12mgから24mgまで、そしてうつ病あるいはうつ状態にも適応症が認められており、他の抗うつ剤と併用したうえで一般的には3mgの用量で用いるとされている。
うつ病の治療はSSRIおよびSNRIあるいはNASSAが主流であるが、それでも効果がないときはエビリファイが使われている。使ってみると非常に効く人と全く効かない人に分かれ、効かない人はエビリファイの使用をやめ、ほかの方法を考えるようにしていた。
しかし最近、エビリファイ3mgで効かなかった人に4mgを処方して効果のあった人やエビリファイ3mgで副作用がでてすぐに使用を中止した人に後日エビリファイ1mgを処方して効果が認められている人がいる。
エビリファイはもともと3mg、6mg、12mgの錠剤だけで1mg錠が追加されたのはつい最近である。また追加された理由も「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」に用いるということで、そもそもうつ病の治療にはあまり関係はないと思い込んでいた。しかし、どっこい1mgをうまく使えばうつ病の治療の範囲がかなり広がる可能性があることに気付かされている。